老後の不安が世に蔓延している。少子高齢化による年金不安、莫大な財政赤字(国の借金)による国家財政の破綻などなど、遠い将来の不安がわが国を覆いつくしている。
そこで保険屋さんが大活躍。確かに長期の資金を積み立てることにおいては保険業界の商品に分(ぶ)があることは言うまでもない。昔から年金保険など、老後資金の準備に利用されてきた。
現状においても多くの保険セールスマンが『毎月10000円を30年積み立てれば360万円が430万円にもなるんですよ(120%)』『銀行預金ならば1000万円もの大金を預けていても、もらえる利息は年2000円程度です。30年間で6万円(2000円×30年)です。保険ならば70万円(430万円-360万円)もの利子がつくんですよ』『保障もついていて、さらに銀行預金よりもお金が殖えますよ』とセールスしている。
確かに、現状の低金利が今後も継続すれば、セールスマンのトークに嘘はない。しかし本当にこれでよいのだろうか。
30年の積立を考えるならば、確かに1年満期の定期預金を更新継続するよりも、保険商品のほうが利息はたくさんもらえるのは事実であるが、仮に老後の備えとして年金保険に加入して、70万円の利息をいただき430万円が老後の生活資金の足しに本当になるのだろうか。
全く資金が無いより、430万円でもあったほうがよいのはわかるが、本来の目的(老後資金の準備)が達成されるのかよく考えてみて欲しい。
無年金の期間があるとするならば(退職が65歳、年金支給が68歳ぐらいまで伸びるとすれば)、430万円では2~3年程度の生活資金にも満たないのではないだろうか(毎月15万円の生活費でも1年で180万円。3年ならば540万円の資金が必要となる)。
定期預金よりも年金保険のほうがましという事なのだろう。でも私に言わせれば、どちらの金融商品を選択しても、老後を資金準備には程遠いのである。
では、毎月の積立金額を増額すればよいではないかとも考えられるが、30年以上も先の老後のためだけに、毎月3万円も4万円も積立を継続すると、5年後の、10年後の、20年後のライフイベントを達成できるだけの資金確保はできるのだろうか、という別の不安・心配・問題が発生する。
毎月の積立額も増額できない、となれば金融商品の選択肢は限られてくるのである。積極的にリスクをとって、リターンを追及してもらいたい。
極論だが、資産運用に仮に失敗して(元本割れ)老後資金が準備できなかったとしても、運用しなければ、どの道、老後資金は確保できていないのである。結果は同じことである。


