変額保険、投資信託の奨め

老後の不安が世に蔓延している。少子高齢化による年金不安、莫大な財政赤字(国の借金)による国家財政の破綻などなど、遠い将来の不安がわが国を覆いつくしている。

そこで保険屋さんが大活躍。確かに長期の資金を積み立てることにおいては保険業界の商品に分(ぶ)があることは言うまでもない。昔から年金保険など、老後資金の準備に利用されてきた。

現状においても多くの保険セールスマンが『毎月10000円を30年積み立てれば360万円が430万円にもなるんですよ(120%)』『銀行預金ならば1000万円もの大金を預けていても、もらえる利息は年2000円程度です。30年間で6万円(2000円×30年)です。保険ならば70万円(430万円-360万円)もの利子がつくんですよ』『保障もついていて、さらに銀行預金よりもお金が殖えますよ』とセールスしている。

確かに、現状の低金利が今後も継続すれば、セールスマンのトークに嘘はない。しかし本当にこれでよいのだろうか。

30年の積立を考えるならば、確かに1年満期の定期預金を更新継続するよりも、保険商品のほうが利息はたくさんもらえるのは事実であるが、仮に老後の備えとして年金保険に加入して、70万円の利息をいただき430万円が老後の生活資金の足しに本当になるのだろうか。

全く資金が無いより、430万円でもあったほうがよいのはわかるが、本来の目的(老後資金の準備)が達成されるのかよく考えてみて欲しい。

無年金の期間があるとするならば(退職が65歳、年金支給が68歳ぐらいまで伸びるとすれば)、430万円では2~3年程度の生活資金にも満たないのではないだろうか(毎月15万円の生活費でも1年で180万円。3年ならば540万円の資金が必要となる)。

定期預金よりも年金保険のほうがましという事なのだろう。でも私に言わせれば、どちらの金融商品を選択しても、老後を資金準備には程遠いのである。

では、毎月の積立金額を増額すればよいではないかとも考えられるが、30年以上も先の老後のためだけに、毎月3万円も4万円も積立を継続すると、5年後の、10年後の、20年後のライフイベントを達成できるだけの資金確保はできるのだろうか、という別の不安・心配・問題が発生する。

毎月の積立額も増額できない、となれば金融商品の選択肢は限られてくるのである。積極的にリスクをとって、リターンを追及してもらいたい。

極論だが、資産運用に仮に失敗して(元本割れ)老後資金が準備できなかったとしても、運用しなければ、どの道、老後資金は確保できていないのである。結果は同じことである。

くやしい、かなしい、腹立たしい

先日、とある金融機関から大手の事業会社内で定期的に「従業員向けのライフプランセミナー」を開催して欲しいというありがたい依頼があった。当該事業会社は株式市場にも上場しており、ゴールデンタイムにもコマーシャルを流している世間では誰もが知る企業である。

初回の打ち合わせの際に「ライフプラン中心に話して欲しい。今の低金利時代にどのようにして従業員はライフプランを達成していけばよいのかを、金融という側面からアドバイスして欲しい。適切な資産運用方法を教えて欲しい」という依頼であった。

事業会社からの依頼は紛れもなく、弊社が常日頃から訴えている内容がそのまま当てはまるものと理解した。そして、2回目の打ち合わせの際に人事部長、総務部長、福利厚生を担当する執行役員などなど、お歴々を前にセミナーのデモストレーションを2時間にわたり実施した。

セミナー終了後、参加した常務執行役員から「あなたのセミナーでは、ライフプランを達成するためには投資運用が必要であると聞こえる。うちの従業員にそんなバクチ的なことなど教えられないし、ましてそんなことが従業員にできるはずはない」と意見された。

弊社では正しい投資運用を啓蒙していること、常務が言う投資(バクチ)は投資運用ではなく、「短期売買の投機なのだ」ということ、そして弊社では責任を持って継続的にフォローアップのセミナーを実施するということなど、懸命に訴えた。

私の物言いも強かったのかもしれないが、周囲にいた金融機関の面々、人事・総務部長が凍りつくほど、当該常務は真っ赤な顔をして立腹された。

これからの時代はリスクがありリターンを獲得できる可能性のある「投資運用」と、リスクなくリターンも獲得できない「貯蓄運用」を上手に色分けし、それぞれのライフプランにあわせて個々の従業員が選択するべきです!ということを強く主張したが、全く聞く耳を持っていただけない。

兎に角、元本の割れる可能性があるものはダメだと言う。その上でファイナンシャルプランナーと言われる専門家なのだから、上手くお金を貯める・殖やす方法を指導アドバイスしてくれと言われた。「私は手品師ではありませんし、お金の世界に奇跡を起こすことはできません」と切り返すと、再び激昂されてしまった。

その場の雰囲気は超超超最悪で、誰もが発言しなかったので、私は強い語気でまくし立てたことをお詫びして、その場が終了してしまった。その後、紹介をくれた金融機関からも、当該事業会社からも連絡はない。

当該企業は確定拠出年金(401K)を採用している。従業員個人個人が自己責任でリスクをとって自分自身の年金を運用する制度を採用しているのである。そのことも会議中に指摘したが、さすがにバツが悪そうで人事も総務関係者もわけのわからない回答をした後、沈黙された。

大手の上場企業クラスになると60歳前後の取締役が多数存在する。古きよき時代とバブルを経験し、高金利と給料の飛躍的増加によってライフプランを達成してきた彼らは、今の時代の対処方法を知らない。自分たちが実践してきた「社内預金」「財形貯蓄」「保険積立」「預貯金積立」以外はすべて悪、すなわちギャンブルだと認識している。

そのことが、とんでもない誤解であることを認めてしまうと「自分は無知である」と言うことも認めてしまうので、社会的地位の高い人ほど抵抗するように感じる。

一方で多くの選択肢を与えられない従業員は悲惨である。低金利・所得の伸びない時代のライフプランの達成の仕方を誰からも教えてもらえない。

20年30年40年経過して、多くのサラリーマンたちはその現実をどのように受け止め、対処するのだろうか。そしてそれを提供しなかった企業の上層部は彼ら(従業員)にどのように言い訳するのだろうか。今の閉塞感のある日本の現状の一端を見たようで、非常に悲しかった。

私がテレビにたびたび登場するような評論家で、どこぞの有名大学の講師でもしていて、世間うけする肩書き(ブランド)を有していたならば、そうした方々(上場企業の幹部たち)はその肩書きで仕事を発注してくれたかもしれない。そう思うと、自分の意見を丁寧に説明して貫き通せなかったことに悔しさを感じるのであった。

今後の懸念

2012年上期のクライアントセミナーでお話した世界の懸念材料が動き始めた。

先頃行われたフランスでの大統領選挙も予想通り、どの候補者も過半数を獲得できなかったため現職のサルコジ氏と社会党党首オランド氏との決選投票となる。5月6日に投票が行われ、そこでフランス大統領が決まる。

クライアントの皆さん、セミナーでお話したとおり、仮に下馬評どおりサルコジ氏が破れ、オランド新大統領が誕生すると、新大統領はどのような政策を掲げるのかをよく見ておいてほしい。

昨年、ドイツのメルケル首相とサルコジ大統領が協調して進めてきた欧州危機への対応(欧州各国の財政健全化策)にどのような変化が現れるのかを注目しておいてほしい。欧州危機の再燃か(ユーロ安、欧州株安)、もしくは更なる進化を遂げた健全化策が登場するのか(ユーロ高、欧州株高)を見ておいてください。

一方わが国においては民主党の小沢氏の裁判が終了し、一審では『無罪』判決がでた。これにより小沢氏の動向が野田政権を揺さぶることになる。特に小沢氏は「国民生活第一」「民主党の原点回帰(消費税増税反対)」を叫び、野田総理に反目する。

ただ、数年前の政権交代時の原点回帰を叫ぶが、メディア報道などでみる限り、無駄の削減はできないし(事業仕分けなどで大幅な無駄遣いが新たに発見されたわけでもない)、沖縄普天間の問題(最悪でも県外と叫んだ鳩山元首相は一体なんだったんだろう)も自民党時代から進展しているとは思えない。

また国民生活第一とは子育て支援や高校無償化、高速道路無料化など大衆受けする政策のことを言うのだろうか。私には民主党が言う「国民生活第一」が何かさえわからない(兎に角、今が一番大事であって、将来のことは日本の成長戦略が功を奏してから考えましょう、と聞こえるのである/痛みの先送りではないのだろうか)。

これまたメディアが言うバラマキとしか写らない。政治については全くの素人である私のような人間でもそう考えるのだから、多くの国民が何がなんだか分からないのではないだろうか。

野田総理が不退転の決意で臨んでいる「子供や孫にツケを回さないための消費税増税」もよくわからない(本当に消費税を増税すれば、子供や孫にツケを回さないで済むのだろうか)。

さてさてこれから民主党内でもドタバタがありそうだし、それに野党の自民党・公明党・みんなの党などの既成政党がどのように協調し、対抗していくのか。そして橋本維新の会や尖閣諸島買取の爆弾発言をした石原東京都知事がどのように絡むのかよく見ておいてほしい。

政治が混沌とすれば、私たちの生活はもとより株式市場、為替市場、国債市場(金利)に不安定さを呼び込むことになろう。クライアントの皆さん、眼を開いて「現状」をしっかり確認しておいてください。

2012年上期クライアントセミナー終了(ネット配信は5月1日から)

先週土曜日(21日)にクライアントセミナーの全日程が終了した。毎度のことであるが、終了後はのどの強烈な痛みと、一定の達成感と投資の素人であるクライアントに「どれほどのことが伝えきれただろうか」という一抹の不安感を抱くのである。

私は占い師ではないので、将来を予見することはできないが、お金の世界の現実を可能な限りクライアントの生活に結びつけて話すことを心がけている。それもできる限りわかりやすく。

勇気を持って、投じていただいた資金がどのように運用されているのか、あるいは今起こっていることがどのように暮らしに・運用に影響を及ぼすのかなど、多くのクライアントが興味が持てるように工夫して話すようにしている。

もちろん、私はスーパーマンではないので、お金の世界のあらゆることを勉強し知っているわけではない。むしろ知らないことばかりである。もしかすると、私は知らないがために間違った内容をクライアントの皆さんに伝えているかもしれない、と言う不安が微塵もないわけではない。

365日間、自分のできる範囲で懸命に勉強し、見てきた聞いてきたお金の世界の現場を包み隠さずに、「善意の気持ち」で伝えようとしている。そこのところだけは信じてもらいたい。

参加するクライアントの中には私より物知りで経験豊かな方もおられると思う。そうした方々には是非お願いしたい。気づいた点があれば「あの部分は違うよ」と指摘いただきたい。

セミナー時間の都合とクライアントの理解を深めるために、言葉を省くケースがあるが(私は細かいことを話しすぎて、事の本質が伝わらないことは本末転倒であると考えています)、そのことは許していただきたい。

すべては「クライアントのために」である。

さて、また今日から次回のクライアントセミナーの題材を探しにいくとしよう。

2012年上期クライアントセミナーネット配信開始

クライアントの皆さん、お待たせいたしました。2012年のクライアントセミナーのネット配信を5月1日のスタートに向け、本日より申込受付を開始します。放映期間は1ヶ月(5月1日より5月末日まで)。

ただしセミナーをご覧いただくことができるのは2000円の視聴料金で、購入から最大48時間限りとさせていただきます。実際にご来店頂き、セミナーに参加される方々との整合性を取るため、無制限の視聴は見合わせております(ダウンロード、記録、録画もできません)。

本来であるならば、すべてのクライアントに来店頂き、実際にセミナーを受講いただきたいのですが、収容人数、開催日数などの弊社側の都合と、転勤などにより遠距離であるがために参加できないクライアントの都合を勘案し、特別な対応としてネット配信を決断しました。

時として、一定の信頼関係ができているクライアントのみの参加であればこそ、そしてその場限りのセミナーであるからこそ、何人に遠慮することなく『稲葉節』を披露できる面があります。

視聴時間に制限を加えたとはいえ、ネットで配信するとなればクライアント以外の方の目に留まる可能性もあり、私の過激な発言や省略した発言に誤解・誤認が生じる不安がないわけではありませんが、できるだけ多くのクライアントに聞いていただき、『投資運用』の理解を深めてほしいと切に願っていますので、クライアントの皆さん是非お申込ください。

それではネット配信をお楽しみください。

■クライアントセミナー視聴申込の詳細はこちらから

『原発再稼動』クライアントの皆さんならば、どう判断する?

原発再稼動がいよいよ最終の大詰め段階にきた。福井県の大飯原子力発電所(関西電力管轄)は再稼動するのだろうか。クライアントの皆さんが最終判断を下す、政治家の先生だったら、どうする?「再稼動」するのか、「再稼動」しないのか。

原発再稼動に向けてはさまざまな問題が入り組み、その判断は簡単ではない。再稼動すれば、この夏の電力供給に一定の道筋がつき、その他の原発再稼動に弾みがつくだろう。そうなればひとまずエネルギー確保問題(電気料金値上げ問題)は解消され、国内企業にとっては一安心である。

その一方でせっかく脱原発で盛り上がったクリーンエネルギー政策推進や原発に変わる代替エネルギー政策推進にブレーキがかかるかもしれない。またひとたび原発事故が発生すれば、福島のあの惨状の再来である。

考えてみて欲しい「ふるさとに帰りたいのに、帰れない」のである。一生涯、住みなじんだ故郷に帰れないかもしれない。現役をすでに引退した自分の祖父母や父母がふるさとに帰れないのである(若者は働くために故郷から離れることはしばしばあるが、年配者にいたっては最終の住み家は地元になる場合が多いと思う)。

また、原発事故により一生涯、放射能による病と闘う羽目になるかもしれないのである。しかし、再稼動させずに、孫や子供たちの将来を憂い、今ここで原発に変わるエネルギー政策を推進した場合(世間的にも脱原発/代替エネルギー推進は非常に聞こえがいいが)、代替エネルギーが十分に確保できるまでに多くの企業が海外移転を実施すれば多くの雇用が失われ、国内に失業者があふれかえる事態も招きかねない。

今日からご飯が食えなくなる可能性もあるのである。もちろん原発再稼動の問題は単に国家のエネルギー政策だけにとどまらずさまざまな問題をはらんでいると思うし、再稼動する/しないのいずれの道を進んだとしても、多くの問題が噴出することだろう。

いつも言うようにテレビや新聞などで報道されている問題を政治家の先生だけにまかせるのではなく、私たち一人ひとりの問題として当事者意識を持って考えたいと思うのである。さて、クライアントの皆さんが総理大臣ならば、どのように決着させる?

日本企業の逆襲に期待

ソニー、パナソニック、シャープといった日本を代表する電機製造業が大幅な人員整理や役員報酬大幅カット、外国企業(台湾企業)との資本提携などで財務の建て直しと戦略の練り直しを急いでいる。

高い法人税、原油価格高騰と原発停止によるエネルギー価格(電気料金)の上昇、円高、消費税増税、自由貿易(TPPなど)参入の壁、パートやアルバイトの社会保険加入による人件費アップ、CO2抑制問題(環境コストアップ)、タイの洪水などなど日本企業を取り巻く環境は「6重苦、8重苦」などと称され非常に厳しい。『日本人の雇用を守る』という錦の御旗を掲げ、これまで懸命に努力してきたが、政治家のバックアップはなく、企業は孤軍奮闘である。

一方、個人レベルで考えると、リーマンショック後の世界中の国々の失業率(10~20%以上)と比較すると格段日本人は恵まれている。その恵まれた環境にあぐらをかいて、国や勤務先など、誰かが何とかしてくれると考えていると、本当に足元をすくわれかねない。そろそろ真剣に個人ベースでも『これからの日本』を考えていかなければならないのではないだろうか。

『莫大な国の借金』『少子高齢化』などと叫ばれてはいるが、過度に怯える必要はないと思う。ただ、このままでは日本は立ち行かなくなることは誰の目から見ても明白である。今の日本が3年や5年でギリシャのようになるとは思わないが、勤務先が仮に破綻しても、あるいは突然リストラを告げられても、また年金などの社会保障が大幅に劣化しても生き残る術を個人個人が身につけておくべきだろう。

『産業の空洞化』などと言われて久しいが、先の日本の製造業も生き残りをかけて、グローバル戦争に勝利するために怒涛のごとく海外に移転した場合、クライアントの皆さんは生き残るためにどのような戦略を立てているだろうか。

いつも言うように資産運用の結果は私たちの暮らしに連動し直結している。単なるお金を増やす目的だけで資産運用をとらえるのではなく、同時に日本や世界の情勢が今どのように動こうとしているのか、あるいはそれに合わせて自分自身のライフプランをどのように変化させていくのかを十分に見つめておくべきだと思う。

さぁ、21世紀のサバイバル時代を生き抜く戦略を考えよう!そしてそれを大いに楽しもう!

再びモンスタークライアントがやってきた

1~2年にお一人程度、強烈な不満をぶつけにご来店になられるクライアントがいる。今回はクライアント自身というよりクライアントのお父様がクライアントと同伴されてきて、思いのたけをぶつけられた。

2005年に投資信託の口座を開設され、40万円投資(20万円ずつ2回に分けて購入)、その後、クライアント自身の判断で360万円(20万円ずつ18回に分けて購入)追加投資された。おそらく、2005年から2007年秋までの運用成績が期待以上のものだったので追加投資されたのだろうと容易に想像できる。

ただ、このクライアントは口座開設以来、一度もクライアントセミナーに参加されず、かつご来店も一度もない。したがって、2008年のリバランス(配分の修正)もしていなければ、2010年のリアロケーション(配分の変更)も実施していない。

挙句は償還した投資信託(現金化されてそのまま放置していた)の残高も放置したままで、全く運用成績もご覧いただいていなかったのである。ここ最近元本が17%割れていることに気づき、父親に相談したところ、弊社に騙されたといってクレームにこられたのである。

父親の言い分は「何も知らない娘に(娘30歳後半)、わけのわからないものを薦めて、挙句元本割れさせた。詐欺ではないか!訴えてやる!!!」とえらい剣幕でお叱りを受けた。

弊社とお取引いただくすべてのクライアントは最初にセミナーを受講し、その後個別の相談を経て口座を開設される。未成年の親族などでもない限り、セミナー、個別相談を受けないで運用をスタートする方は存在しない。当該クライアントもそのプロセスを経て口座を開設され、そして自分の選択で追加投資までされている。

半年に一度程度のクライアントセミナーの案内も出しているし、まして償還になる投資信託を保有されている場合は、証券会社(PWM)はもとより、弊社からも案内を差し上げ、手数料が免除される償還乗換もお薦めしているにもかかわらず、全く放置されていた。

私たちはクライアントから大切な資金をお預かりしているという自覚は十分に持ち合わせているつもりである。クライアントからどのように見られているのかはわからないが、誠実に対応しているつもりである。

一方で、未だ未熟であるが故に、すべてのクライアントの要望や欲求に答えきれていないことも認識できている。しかしながら、今、自分たちのできる精一杯の事はしている。

クライアントセミナーで2000円をいただいてはいるが、それは顧問料という性格のものではなく、学ぶ場所を提供しているという意味で参加受講料を頂戴しているのである。

運用は自己責任。預貯金よりも数十倍、数百倍のリターンが確保できるときもあれば、一時的に元本が割れるときもある。運用成績の良いときは文句は言わないが、悪くなると、すべてが私たちの責任だと主張されても困るのである。むげに突き放すつもりは毛頭ない。

なぜならば、クライアントは大切なお客様であり、投資初心者であり金融の素人であることを私たちは十分に理解認識している。だからこそ、継続的に学ぶ場を提供しているのである。

私たちが言う【誠実な対応】とは、特に相場が下落(クライアントが元本割れしているとき)しているときに逃げないで現状を説明し、今、何をするべきかを提案することであると考えている。決して元本割れをおこさないことを約束したり、元本割れした損失分を補うことではないということをご理解いただきたい。

厳しい言い方ではあるが、学ぶことを放棄し、自分のお金の管理を怠り、すべてを他人(弊社)のせいにするというのであれば、今すぐに運用を停止すべきである。今一度言う「資産運用は自己責任である」。

結局、当該モンスタークライアントにはこれまでの状況を丁寧にご説明させていただいたが、こうした方には私の声は届かない。ご納得いただくことなくお引取りいただいた。

仲間集めに全国奔走中

昨年から「投資」を啓蒙・普及する仲間(事業者)を探し、只今全国を奔走中。セミナーという手法を用いて、投資を啓蒙し、投資信託や変額保険といったリスク商品で長期の財産形成を提案するビジネスをともに立ち上げてくれる仲間を探している(昨年末から岡山、佐賀に協力事業者誕生)。

「リスクのない保険商品や流行の投資商品」を販売している事業者は全国に数万店あまた存在するにもかかわらず、私たちが唱える長期で財産を形成するリスク商品を取り扱う事業者はほとんど存在しない。

商品の入れ替えが伴わない上に(商品の売り買いがない)、投資信託の取り扱い手数料の低さ(仲介事業者の取り分が少ない)がおそらく影響しているのだろう。また商品提供後のフォローアップの面倒くささから敬遠されている。

企業年金の一種である確定拠出年金が導入(401K・投資信託を活用できる企業年金)されてから10年以上が経過しているが、多くのサラリーマンがその導入の意味もわからず、適当な元本保証商品(投資信託以外の元本保証の金融商品)を選択している様は、リスク恐怖症、リスク嫌悪症という病に取りつかれた日本人がこの20年、新しいものを取り入れられずに衰退してしまった姿とダブり非常に悲しい。

本来ならば、「自己責任による財産形成」「リスクを伴う財産形成」「長期にわたる財産形成」を教えなければならないはずの金融機関や401K導入会社の窓口担当者(総務、人事などの福利厚生担当部署)にそのノウハウがないために(きっと思いもない)、ここでも商品の売りっぱなし、制度の導入だけに終始してしまっている(401K導入後のフォローアップがほとんどなされていない)。

バブルが崩壊して20年。20代、30代の若者はバブルもバブル崩壊も実感できない。超低金利、所得(給料)の伸び悩みも、若者たちにとっては「当たり前のこと」で、強烈な不満も沸いてこないのかもしれない。
一方、年配者たちにそれ(低金利と給料の伸び悩み)を打開する術を教えるだけの知識も経験も見識も何もない(もしかすると思いもない)。

【投資運用】という財産を形成するうえで最高の手段を啓蒙・普及・教育する事業者も見当たらなければ、確定拠出年金(401K)という最高・最善の年金制度を導入してもそれを使いこなせる船頭も見当たらない。そして、その恩恵(投資による恩恵)を積極的に享受しようとする国民もいない。

これからも古きよき時代の高金利や飛躍的な給料の伸びの再来を、待ち続けるのだろうか。≪変化を好まないのか≫≪変化の際に発生する痛みを好まないのか≫≪変化することそのものが理解できていないのか≫。いずれにせよ、今の日本には「変化」が必要である。

現役引退まで私にはそれほど時間がない。このまま前に進まない苛立ちを抱えたまま終わるのだろうかと思うと、つい愚痴が出てしまうのである。

危機健忘症とリスク恐怖症

株式市場が幾分息を吹き返してきた。しかし、安易に喜ぶべきではない!

1990年代、「IT(インフォメーションテクノロジー)」と「金融」の二輪車で世界を牽引した米国経済。しかし、その後に訪れるITバブル崩壊(2000年)は世界の株式市場をどん底に陥れた。

追い討ちをかけるように2001年にはイスラム過激派との長きに渡る確執からNYテロが発生、その報復として湾岸戦争(2003年)が勃発し、世界の株式はさらに下落する。ところがその後、舌の根も乾かぬうちに発生した米国の不動産バブル。そこで誕生したサブプライム関連商品が再び世界の株式市場を奈落のそこに突き落とした(2008年のリーマンショック)。

思えばこの20年、米国経済から派生したバブルが破綻するたびに危機が叫ばれるが、すぐさま忘れ去られ(米国の財務長官ガイトナーは「危機健忘症」と称している)、再びバブルが発生する。

危機から学べることも多々あるはずなのに、同じことが何度も繰り返される。「欲望」を糧とする資本主義経済だからこそと言ってしまえばそれまでだが、あまりにも過激で愚かである。

一方、わが国では1億人総勢ギャンブラーと化したバブルが崩壊して20年の歳月が経過しようとしているにもかかわらず(1990年)、国家(政治家)も企業も国民もトラウマのようにリスクをとることを忌み嫌う。
過去を知らない学生までが内向きになり、リスクをとることを回避しようとする(いまや就職人気NO1が公務員である)。

実業の世界だけではなく、お金の世界においても顕著にそのことが現れている。1000万円の大金を投じても、年間2000円程度しか利益を生まない預貯金にただただお金を眠らせている。「リスク恐怖症」から抜け出せず、泥沼から這い上がれる気配すらない。

米国の「危機健忘症」も、日本の「リスク恐怖症」も、人間の欲望と恐怖が生み出す病である。こんなことがこれからも幾度となく繰り返されるのだろうか。資産運用を成功させる秘訣は本当に意志の強さ(欲望や恐怖に負けない意志の強さ)であるとつくづく思い知らされるのである。

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